火山が暮らしを形づくり、旅人を導く地
コスタリカを車で巡ることは、単に景観の美しい道を旅すること以上の意味を持っています。そこには、火山の力によって形づくられた国を発見するよろこびがあります。一キロ進むごとに異なる風景が現れ、ひとつひとつの火口が、神話や文化、そして地質学的な力の物語を語ってくれます。堂々たるアレナル火山から、リンコン・デ・ラ・ビエハの噴気地帯にいたるまで、コスタリカの火山は国土そのものを彫り上げてきただけでなく、そこに生きる人々の暮らしをも形づくってきました。こうした自然の驚異を、自らハンドルを握りながら辿っていくことは、自分のペースで楽しむ冒険の格好の口実となります。そこには、いまなお脈打つ地球のエネルギーが満ちています。
この中米の小さな巨人を特徴づけるものがあるとすれば、それは火山です。風景を形づくり、生物多様性を育み、さらにはそこに暮らす人々の文化にまで影響を与えてきた、火の巨人たちの痕跡を辿っていかなければなりません。そして何より素晴らしいのは、その旅に必要なのが、車と、頼れるGPS――あるいは、もし電波が途切れたときのために昔ながらの紙の地図――そして少しの好奇心だけだということです。
道路は、谷間、山々、コーヒー農園、熱帯雨林のあいだを縫うように伸び、カーブを曲がるたびに異なる眺めを見せてくれます。しかし、この国を自由気ままに巡る旅先として特別なものにしている理由は、やはり火山にあります。200を超える火山地形が存在し、そのうち7つが現在も活動を続けているこの国では、つねに足もとに地球の力を感じることができます。これらの巨人たちは、地平線を支配しているだけではありません。この国の自然史と人間の歴史そのものを形づくってきたのです。
火山は、単なる山ではありません。過去を見守る存在であり、肥沃な土壌を生み出し、幾世代にもわたって受け継がれてきた神話を育んできたものでもあります。ポアス火山やアレナル火山のような大きく活動的な火山から、リンコン・デ・ラ・ビエハやイラス火山のような、より辺境にあり神秘的な火山まで、それぞれが固有の個性を持ち、それぞれの物語を秘めています。森から火山性の平原、そしてコーヒー畑に覆われた土地へと移り変わる非現実的な風景のなかを車で走りながら、それらすべてに出会うことができるのです。
私たちは誰しも、火山と聞けばある種の典型的な姿を思い浮かべます。けれども実際には、火山にはさまざまなタイプがあります。アレナル火山やイラス火山のように、堂々とした成層火山がその一例です。これらは、幾千年にもわたって積み重なった溶岩や火山灰によって形づくられ、壮観な噴火で知られています。ほぼ完璧な円錐形の姿と活発な活動によって、訪れる人々の目を引くのは、たいていこのタイプの火山です。
一方で、より爆発性が低く、なだらかな地形を形づくる楯状火山もあります。そうした火山もまた、異なる魅力をたたえています。その代表例がミラバジェス火山です。
主火口の直径が1.5キロメートルを超えるポアス火山は、こうした巨人たちの力を示す格好の例です。雨水に硫酸が混じり合って生まれたターコイズ色の火口湖は、地質学的な営みがいまなお生きていることを感じさせる、圧巻の光景です。
この火山は古くから、先住民の共同体によって、強大な神々の住まう場所として崇められてきました。この地域の古い住民であったウエタルの人々は、ポアスを雷鳴と稲妻を司る神の住処であると信じていました。実際、火口の縁に立ち、地の底から響いてくるような轟きを耳にすると、その信仰にも深くうなずかされるものがあります。
さらに少し北へ行くと、完璧なシルエットを描くアレナル火山があります。アレナルは、何十年にもわたり世界でもっとも活動的な火山のひとつとして知られてきました。近年はその活動もやや落ち着いていますが、地域の人々は、かつて溶岩の流れが山腹を下り、夜の景色を赤く照らしていた頃をよく覚えています。活動がもっとも盛んだった時代には、自宅のテラスからその壮観な自然のショーを眺められるよう、観光客にチケットを売っていた住民もいたといいます。アレナルはまた、忍耐を教える存在でもあります。その噴火は、この地域一帯の暮らしのリズムそのものを長く形づくってきたからです。
コスタリカを車で巡ることは、人々との距離を縮め、その土地をより深く知ることができる体験でもあります。火山は地形を形づくってきただけでなく、コスタリカの人々の暮らしそのものにも影響を与えてきました。何千年にもわたる噴火の結果として生まれたミネラル豊富な土壌は、コーヒーや果物、その他の作物が力強く育つ、豊かな農業を可能にしてきました。こうした土地で働く農民たちは、火山の周期をよく理解しています。火山活動はときに脅威ともなりますが、同時に、彼らに繁栄をもたらしてきた恵みでもあるのです。
コスタリカ北部にあるこの火山は、壮観な噴気孔や間欠泉、そしてぶくぶくと泥が湧き立つ泥池で知られているだけではありません。その名――リンコン・デ・ラ・ビエハ――にまつわる伝説によっても特別な存在となっています。先住民の伝承によれば、ひとりの若い女性が、父の手によって最愛の人を失ったのち、この火山の山腹へと身を寄せ、そこで余生を送りながら、山のふもとから湧き出る温泉水で旅人たちを癒やしていたといいます。
神話と地質学的現実とが共存するこの国では、火山は単なる風景以上の存在です。そこにあるのは、大地が絶えず動き続けていることを、その近くに暮らす人々に思い出させる、生きた力です。火口に神々が宿るという物語から、リンコン・デ・ラ・ビエハの間欠泉で地元の人々が卵をゆでるという比較的新しい逸話にいたるまで、それぞれの火山にはそれぞれの物語があり、道の曲がり角ごとに新たな驚きが待っています。