スイス・ツェルマットのヘリコプター・スキー
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  • 素晴らしい

ヘリコプターでスイスアルプスを横断:4つのスキーリゾートを巡る

執筆者: ベルナルド・フエルテス 写真:マーティン・ガルデリアーノ。

スイスでスキーをすることは、雪を愛する人にとって憧れの体験です。ツェルマット、ヴェルビエ、クラン・モンタナ、サンモリッツといった名高いリゾート、絵葉書のような山岳風景、完璧に整備されたゲレンデ。そして、高級レストランから控えめで洗練されたラグジュアリー、木造シャレーの暖炉を囲むひとときまで、多彩なアフタースキーが待っています。

 

しかし、ひとつ問題があります。何度かに分けて訪れない限り、これらすべてを一度の旅行で滑るのは、ほとんど不可能です。リゾート間の移動には綿密な計画と時間、そしてある程度の忍耐が必要です。そして正直なところ、どこかひとつを選べば、「ほかのリゾートも滑ってみたかった」という心残りがどうしても残ります。

そこで登場したのが、新しい旅のスタイルです。ヘリスキーではありません。それよりも、もっと多くの人が楽しめる方法です。それぞれのスキーリゾートの魅力を、一度の旅で効率よく体験できるように設計されたルートで、移動にはヘリコプターを利用します。細かなロジスティクスはすべて整えられているため、旅行者がすることは、滑り、くつろぎ、楽しむだけです。

この旅でヘリコプターが降ろしてくれるのは、誰もいない人里離れたパウダースノーの山頂ではありません。各スキー場のコース上部です。そのため、幅広いレベルのスキーヤーが無理なく滑走を楽しめるうえ、リフトなどでコース上部まで移動する時間も省くことができます。

スイス・ツェルマットでのスキー

オーダーメイドのプランで、制限なくスキーを満喫

この旅の出発点にあるのは、これまでとは少し違う発想です。ひとつのスキーリゾートだけを選ぶ必要はありません。すべてを巡ることができるからです。

毎朝、スキーに精通した専属アシスタントが、その日の雪質や一人ひとりのレベルに合わせて、最適なルートを組み立てます。高度な技術を要するコースから、映画のワンシーンのような景色が広がるパノラマコースまで、そのときに求める滑り方に応じて、行程を柔軟にアレンジすることができます。

写真:イヴォ・ルカコヴィッチ
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写真:パトリック・ロバート・ドイル
写真:パトリック・ロバート・ドイル

一日は、ローヌ渓谷を見渡す雄大な眺望と、陽光に包まれたロングコースが魅力のクラン・モンタナから始まります。雪の上へ滑り出し、スピードを感じながら、一つひとつのターンを楽しみます。麓に着くと、絶好のロケーションに用意されたピクニックが待っています。雪上にしつらえられた小さなテーブル、周囲に広がる山々、冷えたシャンパン、スイスチーズ、そして地元の名物料理。澄んだアルプスの空気を吸いながら、次の滑走へ向けてゆっくりと体を休めることができます。

再び滑る準備が整えば、ヘリコプターが待っています。行列も、待ち時間もありません。移動に時間を取られることなく、わずか数分でヴェルビエへ到着し、そこからまた新たな絶景のダウンヒルへと向かいます。

高揚感と、どこまでも自由であるという感覚が重なります。これは、ありふれたスキー旅行ではありません。ここでは、行き先をひとつに絞る必要も、移動に縛られる必要もないのです。

クラン・モンタナ
クラン・モンタナの夕日。
サンモリッツのバドルット・パレスにあるスパ
サンモリッツにあるバドルット・パレスのスパ。

スイスのヘリコプターと規制


ヨーロッパでは、スキーエリアでのヘリコプター利用に関する法律や規制が国によって大きく異なります。その中でも、スイスは比較的柔軟な運用が認められている国のひとつです。厳格なルールのもと、ヘリコプターは標識や安全管理が整えられた認可区域であれば、スキーコースの近くに着陸することができます。こうした運航は、標高3000メートルを超える地域で認められているほか、地形条件によっては1500メートル未満の場所でも許可される場合があります。

スイスの規制は、安全性や環境への影響と、利用者の体験とのバランスを取ることを目的としています。運航事業者には、騒音を抑え、地域の野生動物を保護し、スキーヤーと運航スタッフ双方の安全を確保するための手順を遵守することが求められます。こうした厳格な管理のもとで運用されていることから、スイスは、スキーの冒険性と航空移動によるラグジュアリーや快適さを両立したい旅行者にとって、代表的なデスティネーションとなっています。

なお、こうしたアクティビティは合法ではあるものの、環境基準や安全基準が適切に守られているかを確認するため、定期的な見直しの対象となっています。だからこそ、限られた条件のもとでのみ実現する、非常に特別な体験でもあります。

スイスでは、ヘリコプターの運航に関してより柔軟な対応が可能となっている
スイスでは、ヘリコプターによる移動に比較的柔軟な運用が認められています。

目に見えないサービスこそが生むラグジュアリー

こうしたスキー旅行で、本当のラグジュアリーを支えているのは、旅の裏側で行われているすべてのことです。ゲストがスキーを楽しんでいる間に、スタッフが荷物を車で次のホテルへ運びます。そのため、ホテルに到着したときには、まるで魔法のようにスーツケースがすでに客室に届いています。

同じように、スキーブーツを持ち運んだり、スキー板のことを気にかけたりする必要もありません。毎朝、きれいに整えられた道具が、必要な場所にきちんと用意されています。まるでこちらの考えていることを先回りしてくれているかのようです。実際には、旅のすべてが滞りなく進むよう、専任のサポートチームが細部まで対応しています。旅行者はただ、雪の上で過ごす時間を楽しめばよいのです。

スキー旅行において、アフタースキーも大切な楽しみのひとつです。近年では、人気の高い時期になると各リゾートがほぼ満員になることも多く、谷で最も雰囲気の良い山小屋のテーブルを確保するには、ほとんど毎日のように事前予約が必要になります。

この旅では、プライベート・コンシェルジュのような専属アシスタントが、各リゾートでのアフタースキーのプランニングから予約までを担当します。山を望むプライベートスパで過ごしたり、話題のレストランでのディナー前にカクテルを楽しんだり、暖炉のある小さな木造シャレーで家族とフォンデュを囲んだあと、ソリで谷まで滑り降りたり。さまざまな過ごし方が用意されています。

こうしたサービスの一部は、現地で確実に利用できるよう、通常は旅行前にゲストと相談しながらあらかじめ手配されます。

  • スイスのクラン・モンタナ・スキーリゾート
  • ツェルマット(スイス)のスキー
  • スイス・サンモリッツでのスキー。
  • ヴェルビエは、スイスにあるスキーリゾートです。
  • クラン・モンタナ:ヴァレー州の南向きの高原に位置し、アルプスの壮大な景色を望めます。雰囲気は比較的リラックスしていながら、ラグジュアリーな滞在が楽しめることでも知られています。 —
  • ツェルマット:自動車の乗り入れが禁止されている村で、静けさと昔ながらの趣を感じられます。村内の移動は電気自動車か徒歩が基本です。 —
  • サンモリッツ:ヨーロッパを代表する高級リゾートのひとつです。スノーポロが開催され、ヨーロッパ各地から多くの富裕層や社交界の人々が訪れます。 —
  • ヴェルビエ:変化に富んだコースが魅力で、モン・フォールをはじめとする壮大なオフピステエリアもあります。上級者やエキスパートに特に適したリゾートです。

スイスのスキー旅行は、必ずしもスキーヤーだけのものではありません。家族旅行では、それぞれのスキーレベルが異なったり、なかにはスキーをしない人がいたりすることも珍しくありません。 サンモリッツは、冬になると凍結する湖の周辺に洗練された楽しみが集まっているため、スキーをしない人にも特に魅力的です。世界的なブランドのブティックを巡ったり、有名なスノーポロの大会を観戦したりと、ゲレンデ以外にもさまざまな過ごし方があります。

フォンデュ・ヤン・アレグレ
写真:ヤン・アレグレ。

時計やチョコレートと並び、スイスを象徴するもののひとつがチーズです。なかでも、世界中で知られているのがフォンデュでしょう。では、フォンデュはどのように生まれ、なぜさまざまな種類のチーズが使われるようになったのでしょうか。

その原型を思わせる記録は紀元前800年頃にまでさかのぼり、ヤギや羊のチーズにワインと小麦粉を混ぜた料理が記されています。現在の私たちが知るフォンデュがいつ誕生したのか、正確な時期はわかっていませんが、19世紀になるとフランスとスイスのアルプス地方で次第に広まっていったと考えられています。

フォンデュはもともと、新鮮な食材が手に入りにくい冬のあいだに、熟成したチーズや固くなったパンを無駄なく使うための知恵から生まれました。農家の人々は、チーズに小麦粉やワイン、ハーブなどを加えて火にかけ、寒い冬をしのぐための温かなごちそうを作ったのです。

やがてフォンデュは裕福な家庭にも広まっていきましたが、長いあいだアルプス地方の郷土料理として親しまれていました。大きな転機となったのは1930年代です。スイスチーズ連合がフォンデュをスイスの国民食として広めるキャンペーンを展開しました。その後、フォンデュの人気は急速に高まり、スイスやドイツから海外へ移住した人々によって世界各地へ伝えられていきました。

あらゆる意味でラグジュアリーなスキー旅行

スイス・アルプスの中心へ向かう旅では、名だたるスキーリゾートが、スキーだけにとどまらない多彩な体験を提供しています。アルプス一帯には、絵葉書のように美しい小さな村が点在し、著名なホテルに加えて、特別感のある木造シャレーも数多くあります。夏の地中海に点在する華やかな島々のヴィラと同じように、こうしたシャレーもまた、そこでしか味わえない滞在体験をもたらしてくれます。

さらに、スキー以外の楽しみ方も実に豊富です。昔ながらの犬ぞりやスノーモービル、星空の下で楽しむ屋外ジャグジー、氷河の下に広がる巨大な氷の洞窟を訪れるツアーなど、さまざまなアクティビティがあります。そして、この地域ならではの美食も欠かせません。一日たっぷりスキーを楽しんだあとは、暖炉のぬくもりに包まれながら、上質なランチやディナーをゆっくり味わうことができます。

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